+Negative/傷つけて、傷ついて

 平凡なる日常の中で見つけた、一つの狂喜。
 一瞬で世界が変わった。僕が徐々に変わっていった。
 誰も知らない、もう一人の僕が生まれた。

「大丈夫?」
「なにが」
 不意に現れた、君と言う名の存在。
「いや、なんか辛そうに見えたからさ」
「そう、かな…?」
 だから戸惑った。
 人との接し方なんてわからないから。
 そんなの、必要ないと思ってたから。

「一人なんだ…。僕と、一緒だね」

「ずっと一緒にいられるといいね」

「友達、だよ?」

 唐突に僕の心に触れてきた君が怖かった。
 君に嫌われるのが怖かったんだ。
 離れていってしまうのが怖かった。

 永遠なんて、ないから。
 いつか離れていってしまうのなら。
 なら、僕は、辛い思いをせずに済む方法に逃げるよ。
 君を傷つけて、君に嫌われて、君を遠ざける。

「……嫌い」

 僕を傷つけて。そして、傷ついて。
 ずっとずっと、永遠に。
 ずっとずっと嫌ってよ。
 そしたら僕はもう怯えずに済む。



 ――ゴメンナサイ。

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