死んでいく奴らに興味がなかった。通り過ぎていく奴らに興味がなかった。
関わってくる奴らに興味がなかった。そう、今も昔も。
+第三夜+
ライトに出会ってから数週間後の話。
「よ、お帰り」
homeという組織から支給された部屋に戻れば、香ばしい匂いが漂っていた。
「…何故お前が此処に居る」
「上から聞いてなかったか?」
部屋に戻るとライトが俺の部屋で料理をしていた。
平然と居られても、迷惑なだけだ。
「どういうことだ」
『私、朝ちゃんと言いましたよ。今日からタッグを組んでもらいますって』
無線に話し掛けると、愉快そうな声が返ってくる。
「同居というのは聞いていない」
『やはり協調性を高めるためじゃないんですか?』
「そもそもなんであいつなんだ」
『彼が強く希望したそうです』
「……」
力が抜けていく。言い返す気にもなれない。
組むことも、嫌々ながら承知したのに。
同居までするのならば、断っていた…。
「飯と風呂どっち先にするんだ?」
「…俺に構うな」
「おい!…って、行っちまったよ」
部屋にこもる。他人となんて関わりたくない。
『お風呂くらいちゃんと入った方がいいですよ?不清潔だと女の子に嫌われますし』
「関係ない。…俺はこんなこと認めないからな」
『もしかして怒っているんですか?嫌なら嫌だって彼に言って二人で上に言えば、もしかしたら変えてくれるかもしれませんよ?』
「あいつが強く希望したんだろ。…できるわけない」
『もしかして彼のことをちゃんと考えたんですか。意外と優しいところあるんですね』
「五月蝿い」
防弾チョッキ等を外してベッドに倒れる。他人のことを考えなきゃいけない同居などと言うのは、面倒きわまりない。
俺じゃない他の奴にすればいいものの、物好きとしか言いようがない。
目を閉じると、沈むように夢に誘われる。銃は、すぐ取れる所に置いてすぐに夢へと落ちた。
不意に目が覚めたときには夜中だった。柄にもなく、深い眠りに入っていたようだ。
疲れが溜まっているのか妙な汗をかいたようで、風呂に入りたくなった。そう言えば、夕食もまだだ。
部屋を出てみれば、テーブルの上にラップされた料理たちが置いてあった。
ライトが作ったようだ。まだ少しだけ温かい。
近くには紙が置いてあって、ちゃんと食えよと書かれていた。
何故あいつは、こうも他人を気にするのだろう。
仕方なく、その料理をたいらげて風呂へと向かう。
一瞬だけ血なまぐさい臭いを思い出し、洗面台に手をつくが、何もでなかった。
最近は、平気だったのだが…。
湯船に浸かることもせず、シャワーで済ます。
入るときには気付かなかったが、出たときにライトがソファーで寝ていることに気付いた。
なにも掛けずに、暖房すらも入れていないこの部屋。
時期と言えども少し冷えるため、そのままでは可哀想だ。
部屋から予備の布団を持ってきて、静かに掛けてやる。
明日から、ベッドで寝かしてやるか…。今移動させて、途中で起きられるのも嫌だし。
「ふぇい、と……」
何故、コイツは俺にこだわったのか。俺には、わかるわけもなかった。
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