冷たく凍える手を擦りあわせた。
温かさより、冷えて痛いほうが強かった。
+第七夜+
ライトが戻っていった。朝、早くに。
その間、俺は次の仕事が入っていた。
『ライトさんに休めって言われてたでしょう』
「関係ないな」
『この分からず屋!』
「何度でも言え」
無線の相手は、ライトと出会って以来、感情的になって困る。
まだ幼いらしい。実際にあったことはないのだが、やはり声が子供だ。
「何故ライトはパートナーに俺を選んだんだ」
『…歳が近いせいだと思います。この仕事で、二人が最年少ですから』
何故歳が近いといいんだと訊ねたところ、まだ幼いですからねと返答が来た。
『甘えたい年頃なんじゃないんですか?女癖も悪いと聞いていますし』
それでも、外交的で女からはまあまあな評判なのだと言う。
よくは、わからないな。
そして今日も、殺して殺す、殺し三昧。
あいつはなんで、この仕事をやっているんだ…?
暫くの時間がたちホームに戻る途中、吐き気が襲ってきた。今日は気分がよかったのだが。
やはり慣れることなどないらしい。殺人鬼にはなれないな。
中途半端な人のままだ。弱い、人のままだ。
不意に鈴の音がした。
「やっほー」
「…猫」
声がして振り向けば、そこには見覚えのある姿が。俺のホームに訪ねてくる数少ない奴の一人だ。
「猫、でもいいんだけどさ。フィアっていうちゃんとしたコードネームが」
『もしかして、フィアさんが其処にいるんじゃないですか!』
「五月蝿い」
無線からと言い、猫と言い。賑やかな日だ…。
「で、なんの用だ猫」
「だから、猫じゃないんだけど…。今日はからかいに来たよ☆君がタッグを組んだって聞いたからさ」
「帰れ」
「いいじゃん。たまには部屋に上がらしてもらうよ。ほら、行こう?」
『フェイトさん!フィアさんと関わっちゃいけません』
「私情だろ。公私混合するな」
『だって…!』
…五月蝿い。そして俺はフィアに引っ張られ、自分のホームへと向かった。
「で、なんの用なんだ」
「だからからかいに来たんだって」
『フェイトさん!』
無線が五月蝿い。
「外しちゃいなよ、そんなの」
そう言ってあっという間に外される、ヘッドフォン型の無線。
「で、フェイト…。ごめんね、君のパートナーになれなくて」
「…離れろ」
ゆっくりと抱き締められ、抵抗しても尚しつこかった。
「いいじゃん、僕と君との仲なんだしさ」
徐々に縮まっていく距離。すると唐突に玄関の扉が開いた。
「…ライト」
「えっ、フェイト…?」
「ちっ…。また来るね、フェイトv」
「二度と来るな」
「そんなこと言わない。僕と君との仲でしょ?」
出て行くフィアと棒立ちするライト。
軽く、面倒なことになっていないか…?
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