変われない事実。
 変わっていく真実。

  +第十一夜+

 風呂から出ると、さっき脱いだものは片付けられており、代わりに別の服が置いてあった。
 着てみると少し大きめで、でもたいした支障はなかった。
 あいつの匂いがする…。
 さっきのリビングに戻ると、テーブルの上は綺麗に片付けられていた。
「……」
「服、平気そうだな。明日までには洗って乾かしとくぜ」
「…ああ」
 で、本題。
「ベッドは、お前が使え」
「…嫌だな」
 何故に命令形で断定形なのか。
「お前なぁ…」
『一緒に寝ちゃえばいいんじゃないんですか?』
 唐突なる沈黙。ライトは、嫌じゃないだろうか…。
「フェイト、は。…嫌だろ?人と寝るの」
「俺は、お前となら平気だと思う…」
「なっ…」
「嫌か…?」
「平気、だけどよ…」
『なら、決定ですね』
 やはりどこか楽しそうな無線。決まり、だな。
 なんとなく、ライトとなら平気な気がした。
「んー…。フェイト、先に寝てていいからな。それともアイスでも食べるか?」
「いや、ベッドで待ってる」
「待ってるって…」
「お前がちゃんとベッドに入るまで俺は寝ない」
「…はいはい」
 苦笑するライト。やはり、嫌なのだろうか。
「んじゃ、風呂入ってくるな。先に寝ててもいいんだからな」
「あぁ」

 ライトの部屋も荷物を片付けている途中だった。ライト、か。
 温かくて不思議な奴だ。面倒見もよくて。他に、選べる奴も居たんじゃないのか。
 他の、例えば女なんかを選べば、あいつも楽しくやれていたんじゃないのか。
「……」
 ただ過ぎていく時が残酷に思えた。今日のことでわかった。あいつはあの世界に居るべきだと。
 人殺しなんかしない方がいい。あいつだって、辛いだろう。……。
「おい?フェイト…?」
「…ライト」
 ライトが近づいてくることさえも気付けなかった。仕事に支障が出たらどうしようか…。
 その時は、殺されるだけだな。その時が、最後になるだろう。
「…どうかしたのか」
「いや、なんでもない」
 ベッドの隅、壁の方に体育座りで座ってた。隅の方が、落ち着く。
「えっと、寝るか?」
「あぁ…」
「じゃ、電気消すな」
 不意に消える明かり。夜なんだということが実感できる。
 今日は世界が、大きく変わったように思えた日だ。
「寝るぞ…」