孤高の月は、星の涙を流しながら。
 俺たちのような者たちを、ただ静かに見守っている。

  +第十六夜+

 抱き締めたライトの体温が伝わってくる。
 今まで与えられたどの優しさよりも、温かいものだった。
 鼓動が早くなるのを自分でもわかる。ただ傍にいたいと願っていた。
 ライトの傍に居られることを。それだけで俺は…。
「フェイト…」
 抱き締める手を緩めたら、唇を重ねられてキスされた。
 そして何度も、何度も。
「ライ、ト…」
「止めるなら、今だぞ」
「止めないで欲しい…」
 それが、俺の今の願い。後のことなんて知らない。
 今はお前を感じたい。窒息死してもいいから、溺死してもいいから。
 ただ、ライトと言う今まで知ることのなかった世界をただ感じたいと思った。
「体に負担がかかるかもしれない」
「それでも…」
 いいんだ。それでも。死んだって、構わない。
 ライトの唇が首筋に触れて。
「ライト…」
 必死に名前を呼び続けていた。

 気がつけばベッドの上。まだ陽も昇ってない。
 恐怖はあった。どんなことをするのかどんなことをすればいいかわからなかったからだ。
 まだ寝ている彼の髪にキスを落とす。
 あの行為が意味をするものは、なんとなくわかった気がする。
「……」
 ライトが隣で寝ているのに対して、俺は天井を仰いだ。
 怖い。今は傍に居てくれるこいつが離れていくのが。
 そして、あの感情がどういうものなのか、まだ具体的にはわかっていないから。
 あの頃のあの人ように俺の犠牲になりはしないだろうか…。
「ライト…」
 いっそうのこと、この手で葬ってしまおうか。
 何処にも行かないように、誰にも殺されないように。
 …嫌な、奴だな。俺は。
 涙がこぼれてくる。もう、この手を赤く染めたくない。
 こいつを、陽の届く明るい場所に戻してやりたい。
 まだ、間に合う気がするから。
 寝ているライトの唇に、自分の唇を重ねる。
 起きればいい、起きなければいい。
 できることなら、一生起きるな。…起きて、俺に触れてくれ。
 矛盾する想い。自分が、嫌になる。
「んっ…」
 薄っすらと目を開けるライト。もう、どうにでもなってしまえ。
 不意に顔を抑えられて、舌を挿入させられる。
 止められない、止まらない。
 求め合って、舌を絡ませあって。訳が、わからなくなりそう。
「フェイト…、大丈夫か?」
 離してもらって、顔を覗かれる。綺麗、だな。
「腰が痛い…」
 ぼーっと、浮いているような感じがする。ずっと、一緒にいたい。
「わ、悪い(/// 。でも、凄かったな。フェイトっていつもあんな?」
「……?」
「初めてじゃ、ないよな…?」
「…質問の意味がわからない」
 困り顔のライト。まずいことでもあったのだろうか。